葬儀の基礎知識
生命保険
「生命保険」に関する規定は、商法の673条以下(683条まで)にあります。
生命保険は「死亡保険」「生存保険」「生死混合保険」に分類できます。「死亡保険」は、被保険者が死亡したときや、高度障害になったときに保険金が支払われ る保険です。「生存保険」は、被保険者が一定期間生存したときだけ保険金が支払わ れる保険です。「生死混合保険」は、被保険者が途中で死亡すると保険金が支払われ る死亡保険と、保険期間満了時に生存していた場合には、満期保険金が支払われると いう生存保険を組み合わせた保険です。
なお死亡や事故の原因が故意によるものや犯罪による場合、契約直後の自殺などの場合には保険金が受け取れないことがあります(第680条)。
関連する法規
商法
第674条[他人の生命の保険]
- 他人の死亡によりて保険金額の支払を為すべきことを定むる保険契約には、その者の同意あることを要す。ただし被保険者が保険金額を受け取るべき者なるときは、この限りにあらず (説明)夫が妻に生命保険をかけ、受取人が夫の場合には妻の同意が必要。ただし、受取人が夫本人であれば、同意の必要はない。
- 前項の保険契約によりて生じたる権利の譲渡には被保険者の同意あることを要す(説明)受取人を変更する場合には、被保険者の同意が必要。
第676条[同前-保険金受取人の死亡と再指定]
- 保険金額を受け取るべき者が被保険者にあらざる第3者なる場合において、その者が死亡したるときは保険契約者は更に保険金額を受け取るべき者を指定することを得
- 保険契約者が前項に定めたる権利を行なわずして死亡したるときは、保険金額を受け取るべき者の相続人をもって保険金額を受け取るべき者とす
第679条[生命保険証券の記載事項]
生命保険証券には第649条第2項に掲げたる事項の外、以下の事項を記載することを要す
- 保険契約の種類
- 被保険者の氏名
- 保険金額を受け取るべき者を定めたるときはその者の氏名
第680条[保険者の法定免責事由]
以下の場合においては保険者は保険金額を支払う責に任ぜず
- 被保険者が自殺、決闘その他の犯罪又は死刑の執行によりて死亡したるとき
- 保険金額を受け取るべき者が故意にて被保険者を死に到らしたるとき。但しその者が保険金額の一部を受け取るべき場合においては、保険者はその残額を支払う責を免るることを得ず
- 保険契約者が故意にて被保険者を死に致したるとき
第681条[保険契約者の通知義務]
保険契約者又は保険金額を受け取るべき者が、被保険者の死亡したることを知りたるときは、遅滞なく保険者に対してその通知を発することを要す
第682条[積立金払戻義務]
被保険者の為に積立たる金額を払い戻す義務は、2年を経過したるときは時効によりて消滅す