フラワーディレクターからの花だより
白菊
2016年10月16日
10月にご紹介するお花は当社で一番取扱い量が多いお花の白菊です。
日本ではザ・仏花といったイメージが強いお花ですが、良く見ると小さな花弁が理路整然と並び、決して華やかではありませんが控えめで清楚さがある日本を象徴するに相応しい素敵なお花です。
以前のコラムでもお伝えしましたが、オーストラリアでは母の日に送る定番花は菊となっており、決して仏事のイメージだけのお花ではありません。
毎年10月~11月は秋の味覚や紅葉が楽しみな時期ではありますが、私どもの様に大量の白菊が必要なお花屋さんでは、実は数量の確保と価格高騰に頭を悩まさせられる憂鬱な時期なんです・・・。
これは市場に出回る白菊は季節で出荷品種が変わり、7~9月の暑い夏が主力の夏菊とこれから寒くなる時期が主力の秋菊が入れかわるタイミングとなり全国的に白菊の出荷が少なくなる為に毎年恒例で起きます。
少し豆知識的なお話をすると、これからの時期に主力となる白菊の品種は『神馬』と『精興の誠』という秋菊の2大品種となります。
『神馬(じんば)』は純白の花でツヤのある葉っぱが特徴で、『精興の誠(せいこうのまこと)』は少しクリーム掛かった色の花で、茎に節がない扱い易くしっかりした花茎が特徴の菊となってます。
また、お花には等級やサイズがあり、等級は「秀」、「優」、「良」とあり、「秀」が最も高品質であり、「良」が品質が下がるといった形で選定されています。
サイズは「2L」、「L」、「M」、「S」と長さや重量といった規格で大きい方が同じく高品質となります。
単価も「秀」「2L」が最も高く、「良」「S」が安いといった形になります。
スーパーなどで特売されているお花はこの部分でいう下等級のお花となっています。
博全社では『地産地消』を推進しており、千葉県の生産者さん達から仕入れを行っておりますが、白菊の国内トップブランドである『JA愛知みなみ産』の「秀品」白菊も年間契約で仕入れております。高品質の花を安定的に確保し、皆様のご要望に常時お応えできるように仕入面でも努力しております。
また、本年3月からは白菊では珍しい産地からお花を水に付けてバケツ輸送する湿式物流の導入も開始しております。
水を切らさず輸送することで、お花の鮮度向上はもちろんの事、従来のダンボールに詰めて輸送されていた乾式物流に比べ年間数トンものダンボールの消費を抑制できます。
また、水を入れた容器も再利用できる地球にやさしい取り組みとなってます。
白菊における産地からの湿式物流は、まだまだ業界全体では導入が進んでいませんが、当社では地球環境保全とお客様に提供するお花の品質向上の為、早期に導入を開始いたしました。
私たちの小さな積み重ねが何よりもお客様に大事なことと信じて・・・。
人にも地球にも優しい企業を目指し、我々社員一人一人がこれからもエコ活動に取り組んでまいります。