料理長からの食材だより
滋養強壮の強い味方「ニンニク」
2021年6月16日
今月は、古くから滋養強壮を司るものとして世界各地で食べられてきたニンニクの事を、お話したいと思います。
古代エジプトではピラミッド建設のおりに労働者に配給されて、薬としても使われていました。日本に来たのは奈良時代とのこと「万葉集」や「古事記」においても書かれています。
パスタにはスライス・鰹には卸しで使う事が多いニンニクのですが、栄養価は高く、その昔ニンニクは僧侶が厳しい修行を行ううえで欠かせなかったという説もあるそうです。例えば「行者ニンニク」日本古来の山岳信仰に道教や密教などの教えが関係して生まれたと言われている「修験道」の修行者(行者)から、その名がついたと言われています。
疲労回復や滋養強壮に効果のあることで有名ですが、ニンニクの活性酸素抑制能は強力で、一説によると動脈硬化や癌予防に大変効果があるともいわれています。たとえば、1日5gニンニクを食べてる人と食べてない人を比較すると、胃がんの発生率が半分に抑えられるのだとか。また中性脂肪やコレステロールを低下させたり、高血圧・脳梗塞・心筋梗塞予防にも効果はあるそうです。
ですが、常用しすぎると危険な落とし穴もあり、精力をつけるどころか、貧血になって体力減退という逆効果を起こすことも。ニンニクの香り成分であるアリシチンが、赤血球の中からヘモグロビンを追い出してしまうため貧血を起こさせてしまうのだそうです。お子様や高血圧の人は、食べる量を控えた方が良いかもしれません。
ニンニクは好きだけど臭いが気になって遠慮しがちという人は、ニンニクを食べた後にデザートとしてリンゴを食べるとポリフェノールやペクチンが体から発生する嫌な臭いを消してくれる効果があるといわれています。
りんごと同様に、ウーロン茶・緑茶・マテ茶にも消臭効果があるポルフェノールが多く含まれているので、ニンニクの臭いが気になる人はお茶を一緒に飲むことをお勧めします。
これから、暑くになるのでニンニクを食べて夏を乗り切りましょう。