料理長からの食材だより
コノシロ
2020年12月16日
今月は、コノシロについてお話したいと思います。
コノシロはニシン科の魚で単独でコノシロ属に分類されています。
コノシロの語源は、その昔飯の代わりになるほど大量に獲れた事から、「飯(コ)」「代(シロ)」で「飯代魚」コノシロとなったと言われています。
コノシロという名前より寿司ネタのコハダの方がよく知られているのではないでしょうか。
コノシロは光物の代表として江戸前鮨には、欠かせない存在で特に小さなシンコはさばくにも酢〆の具合にも絶妙な技術が必要で寿司職人の腕の見せ所となっているとともに季節感を味わえる食材になってます。
コノシロも出世魚ですが、他の出世魚と違ってコノシロの場合は成長するにあたって価値が下がってしまい江戸前鮨のネタとしては、小さい方が好まれます。
成長し小骨が気になるコノシロは一般受けしなくなります。
その年に生まれた幼魚の5~8cm位までのモノをシンコと言い、8~10cm位のモノをコハダ、11~15cmでナカズミ16cm以上のモノをコノシロと細かく分けられています。
東北以南の内湾に多く生息して産卵期の4~5月には汽水域に回遊することが知られています。
成長したコノシロは、ほぼ通年水揚げされますが、成長過程のサイズによって需要が違ってくるので幼魚のシンコは7~8月までの夏で、コハダはその後の9月頃までとなっていて成長によって旬が変わっていき価格も幼魚のシンコだとkg数万という破格の値段が付く時もある食材です。