料理長からの食材だより
秋の味覚「銀杏」
2020年9月16日
今月は、銀杏について、お話したいと思います。
晩秋になるとお寺・神社の境内・公園などでは黄色く紅葉したイチョウの木の下に、萎れたサクランボのような銀杏の果実が臭い匂いを発散して大量におちています。
銀杏の臭い果実を取り除くのはけっこう大変なうえ、食べる際に殻を割って中身を取り出すのもまたひと苦労です。
果実を素手で触ると非常にカブレやすいためゴム手袋をして、果実がなるべく皮膚に触れないように注意して下さい。
昔の一般家庭では取ってきた銀杏を土の中に埋め果実が腐って無くなるのを待ってから取り出し、天日でよく乾かしてから食べたそうです。
この銀杏が実る木がイチョウですが、活きた化石と言われるほど大昔からある樹木で、雄の木と雌の木があり実がなるのは雌の木だけです。
漢方では古来より咳止めや、夜尿症・頻尿の改善にも使われていて、良質のタンパク質はコレステロールを減らし、滋養強壮にも効果があると言われてます。
しかしその一方で、神経に働くビタミンB6の作用を妨げる中毒物質が含まれていて、食べ過ぎるとまれに痙攣などの中毒が起きることもあります。
大人は肝臓に解毒する酵素を持っていますが、子供は解毒能力が発達してないため、中毒になりやすいと言われているので要注意です。
中毒になってしまっても、ビタミンB6の注射して数時間で症状は消えるそうですが美味しいからと言って食べ過ぎには注意しましょう。