料理長からの食材だより
うど(独活)の新芽で春を味わう
2019年3月16日
時折、暖かい日が出てくる3月ですが。この時期になると、いろいろな山菜も沢山でてきます。今月は、その中から「うど(独活)」についてお話したいと思います。
うどは北海道から九州まで全国の山地に白生しており、フキ・ミョウガ・ミツバなどと並んで日本原産野菜のひとつです。
「うど(独活)」は姿形からは想像できませんが、タラノキの仲間です。
かなり大型になる多年草で花時には2メートル前後にもなります。葉も大きくなり、長さは1メートルほどの2回羽状複葉です。花は初秋に咲き果実は3mmほどの球形で放射球形に付きます。
「うど(独活)」の名前の由来は成長した茎が中空なので「宇登呂(うどろ)」と呼ばれ、そこから「うど」に転訛したと言う説があります。
独活は成長が早く大型になり茎も太くなりますが、茎は中空で成長したものは食用にも材用にもならないことから、「ウドの大木」という言葉が生まれたそうです。
今でこそ栽培件数の少ないウドですが、昭和30年代には小川や泉など水資源の豊富の地域で盛んに栽培されてました。軟白化するには手間がかかりますが、比較的高価な値がついたため、農閑期の換金作物として重宝がられていました。ウドは茎だけ食べるだけじゃなく、秋に採取した根や茎を乾燥させたものに解熱や鎮痛健胃などの効能があるとされています。
春に芽吹いたばかりの新葉や若い茎を、同じ春の山菜であるタラの芽と同様、天婦羅にして食べるのが一般的ですが、お湯でサッと茹で醤油を掛けたりマヨネーズを付けたりして食べると独特の苦みと香りが口いっぱいに広がります。
7月まで楽しめるウドの新芽、ウド独特な香りを楽しんでは如何ですか。