料理長からの食材だより
辛味大根と青首大根の違いとは?
2018年10月16日
今年も、あと数か月になりました。そろそろ大根が美味しくなる季節です。
おでん、風呂吹き、大根おろし等で使われる、この大根!
スーパーで一般的に売られているのが「青首大根」と呼ばれていますが、大根の種類の中には「辛味大根」というものもあります。今日はその2種類の違いについてご紹介します。
「辛味大根」は、名前の通りピリッとした強い辛さが特徴で、見た目はカブにそっくりで区別がつかないほどですが、立派な大根です。一般的な青首大根とは、味も大きさも硬さ水分量も違います。育てやすさという点では、流通の多さからもわかるように青首大根の方がメリットが多くあります。一部が土の上にあるため、大きさが判断しやすい上に抜きやすく、さらに病気にも強いために育てやすく収穫しやすい理想的な大根といえるでしょう。
一方の辛味大根は、収穫直前でも土の中に埋もれているで、収穫のタイミングがわかりにくく、生産にも手間がかかります。
また、辛さが特徴の辛味大根と異なり、青首大根は辛味が苦手な子供でも食べられます。また、煮ても、焼いても、茹でても美味しく頂ける万能な食材です。青首大根の方が育てやすい上に消費者からのニーズも高く、辛味大根のような各地に根付いていた地大根は少なくなり、希少品種と呼ばれるようになりました。
辛味大根は、灰汁が強いので青首大根と同じ使い方はおすすめ出来ませんが、大根おろしにして食べるのが一番美味しいと言われています。皮と実の間に栄養分が多いので出来るだけ皮のまま擂りおろした方が辛く、また効能も期待出来ますよ。辛いのがお好きな方は、さらに力強く素早く卸すと辛味が増すとも言われています。味わいは非常に奥深く、最近では長寿食として注目されています。
まだ辛味大根を試したことがないという人は、この時期の秋刀魚と一緒にピリッと辛い辛味大根を是非一度チャレンジしてみてはいかがですか。