料理長からの食材だより
夏バテ予防の定番と言えば!鰻
2018年7月16日
夏の暑い日、夏バテ予防の定番と言えば!鰻ですね。
奈良時代の「万葉集」に「武奈伎」(むなぎ)として見えるのが初出で、これがうなぎの古称。院政期頃になって「うなぎ」という語形が登場し、その後定着しました。
その「むなぎ」の語源には家屋の棟木のように、丸くて細長いからと言う他に、胸が黄色い胸黄「むなぎ」・調理方の際に胸を開くから「むなびらき」など、諸説あるようです。
今では、あまり見ませんが、うなぎ屋から勢いよく白い煙を上げて香ばしい匂いを漂わせると、食べたくなる鰻ですが、土用の丑の日に鰻を食べる習慣が生まれたのは江戸時代のこと。夏の暑い日に売れないうなぎ屋を助けるため、有名な発明家である、平賀源内がうなぎ屋の店先に、「本日、土用の丑の日」と看板を立て、人を集めたと言われています。
この説は有力で、江戸時代の世相や風俗を記した「明和誌」には平賀源内が考案したと書かれています。
関東では背開き・関西では腹開きと言われますが、これは蒲焼が江戸で流行した江戸時代、武士達が腹開きは切腹を連想させることを嫌い背開きになったそうです。
そして、同じ蒲焼でも関東と関西では調理法も違い、関東は白焼きにしたものを一度蒸してから蒲焼にしますが、関西では蒸さずに、そのまま蒲焼にします。
関東は一度蒸すことで皮も身も柔らかくなりますが、関西は熱々のご飯に乗せることで同じように、皮も身も柔らかくなります。
鰻はビタミンの宝庫で夏バテ予防の定番と言われているのも、いろんなビタミンが豊富に含まれているからかもしれませんね。
土用の丑の日は、是非、鰻を食べて暑い夏を乗り切りましょう。