料理長からの食材だより
春を代表する海の幸「ホタルイカ」
2018年4月16日
今月は、春を代表する海の幸のひとつでもあるホタルイカの話をしたいと思います。
ホタルイカの寿命はメスが12~13ヶ月位で、オスはそれより1ヶ月短いと考えられています。オスはメスに精子を渡して死亡し、メスも産卵後間もなく死にます。
ホタルイカで有名な富山湾の場合、新湊から魚津までの沿岸域で産卵します。このため、沿岸の定置網で捕獲したホタルイカは、ほとんどがメスだそうです。
ホタルイカは蛍のように光を発するため、ホタルイカと命名されましたが、ホタルイカと呼ばれる前はマツイカ・コウイカなどと呼ばれていました。のちに明治時代に東京帝国大でホタルイカを研究していた渡瀬博士が、青白い光からホタルイカと命名しました。その発光する仕組みも昆虫の蛍と一緒で酵素の働きによるもので、体は小さいですが胴・頭・腕に1000個もの発光器を持っており、特に腕の先端にある発光器は強力の光を発します。
主な産地は、富山県、兵庫県などですが富山のホタルイカは兵庫や山陰物よりもひとまわり大きい為、腸も大きいのです。ホタルイカはまるごと食べる為腸が大きい分、美味しいと言われてます。
また富山湾の滑川から魚津の沖合いは世界的にも有名なホタルイカの生息地で、その群遊海面は、国の天然記念物に指定されています。
食べ方のおススメは、生で食べるのが一番だと思いますが、腸の部分にアニサキスという寄生虫が居ることもあるので、それなりの覚悟が必要です。アニサキスは加熱によって死滅するため、流通しているのはボイルされているのがほとんどです。
酢味噌・甘露煮・天婦羅・沖漬け・いろんな調理法があり、お酒のあてには最高の一品でしょう。
ビタミンA・ビタミンEが豊富で老化の進行を抑える作用や腸の中のタウリンが血液中のコレステロールを下げると言われています。
千葉県の富浦沖の定置網でも獲れるので、出始めの1月は値段も高いのですが4月にもなれば、値段も落ちついてくるので、是非いかがでしょうか。