料理長からの食材だより
種類によって旬が変わる!?「いわし」の豆知識
2017年9月15日
今月は、日本で流通している「いわし」についてお話します。
日本では、「マイワシ」「カタクチイワシ」「ウルメイワシ」の3種類に分かれます。
最も多く流通しているのが「マイワシ」になります。旬は、6~10月頃で初夏から秋にかけて美味しい時期を迎えます。
一方「カタクチイワシ」は、9~1月、「ウルメイワシ」は10~2月頃になり、種類ごとに1ヶ月ずつ旬がずれることになります。
「いわし」は全国各地で水揚げされる魚ですが、漁獲高としては千葉県が1位で、次いで茨城県、三重県と続きます。
また、この季節、「柊鰯(ひいらぎいわし)」をご用意される方もいらっしゃるかもしれませんね。古来、季節の変わり目には邪気が生じると考えられていて、その邪気を追い払うための魔除けとして、柊の小枝に焼いた「いわし」の頭を刺して玄関に掲げるという風習があります。この風習も、古きは平安時代から始まり江戸時代に広まったとされています。
「いわし」はとても繊細な魚で、流通している間にほとんどウロコが剥がれてしまいます。
一般的には焼き魚として調理されますが、煮干しやめざしの材料となる、加工品としても重要な魚です。
「いわし」を選ぶポイントは、傷みやすい魚なので鮮度が重要となり、エラの内部が鮮やかな紅色をしていて青く輝いているものを探すようにしてください。