料理長からの食材だより
「中秋の名月」十五夜
2017年10月15日
今月は「中秋の名月」十五夜についてお話します。
十五夜とは、実は満月のことなのです。
満月は、1年に12回あります。何故満月を十五夜というのでしょうか。
月は満ち欠けを繰り返していますが、新月から満月になるまで約15日かかるそうです。
そこから満月を十五夜と呼ぶようになりました。
この満月は「十五夜」「お月見」「中秋の名月」と呼ばれ、平安時代では貴族が満月を見て楽しんでいたようです。
江戸時代には秋の収穫に感謝する祭りとして庶民に親しまれるようになり、農家の夏の作物の収穫が終わり稲刈りをするまでの少し手の空く時期に豊作を祈る宴を行っていたことが「お月見」の始まりとされています。
また、イモ類の収穫祭として「中秋の名月」を「芋名月」と呼び暦の関係で必ず仏滅になります。
「お月見」に欠かせないのが「お団子」と「すすき」です。
江戸時代の頃は、秋に収穫された里芋などをお供えしていたそうですが、途中から米粉で作ったお団子もお供えするようになりました。
このお団子は収穫への感謝を表し、お供えした後のお団子を食べることで健康や幸福がもたらされると考えられたそうです。
すすきは稲穂に似ていることから、お米の豊作を願って飾られます。
地域によってはその他に萩を飾るところもあります。萩は神様の箸の意味合いもあり、神様が萩を使ってお団子を食べるという説もあります。
現代でも、この時期は芋類や茸類などの秋の味覚を楽しむことと合わせて、「食欲の秋」といわれるようになっています。