料理長からの食材だより
戻り鰹は9月が旬!脂ののった濃厚な味わいを堪能
2019年8月16日
今月は、カツオについて、お話したいと思います。
四方を海で囲まれてる日本では昔から魚が重要なタンパク源でした。
最近は、魚離れが進んでるとはいえ、今でも新鮮なお刺身はごちそうですね。特にカツオは日本人にとってなじみの深い魚で、鰹節に利用されるだけではなく、昔からお刺身として好まれていました。
カツオは毎年、春先から太平洋側を北上しはじめ、秋口には南下することから、旬が2度あることで有名です。
南の鹿児島から回遊を始めることから漁は3月から九州南部ではじまり、5月には三重や静岡を中心とした本州中部、8月から9月になると宮城の三陸沖から北海道南部あたりまで進みます。
3月から5月にかけて1度目の旬として、この時期に獲れたカツオが「初鰹」と呼ばれます。一方、8月頃Uターンしてきたカツオを9月頃に三陸沖で獲れたものが「戻り鰹」と呼ばれる2度目の旬を迎え、11月にかけて順次鹿児島まで南下して漁が終了します。
卵からかえったカツオは、南洋域を群れで回遊し、春になると黒潮にのって日本の太平洋沿岸を西から東へ北上していきます。
そのため春先の「初鰹」は脂がほとんどなく、身の締まった赤身のさっぱりとした味が特徴で、あっさりとした味わいを好む人に人気です。
一方、三陸沖から北海道南域まで北上する「戻り鰹」は黒潮に集まる小魚をたっぷり捕食することで、Uターンして南下する頃には、丸々と太り、しっかりと脂がのっています。
そのため赤身だけの「初鰹」と違って脂がのったピンク色の身になり、もっちりとした濃厚な味わいになります。
これから、脂のった「戻り鰹」が出てくるので、お刺身はもちろんのことタタキでも召し上がってみてはいかがですか。