料理長からの食材だより
秋にかけておいしくなる!海胆(ウニ)
2020年8月18日
梅雨も明けて、6月~10月にかけて美味しくなる海胆(ウニ)について、お話したいと思います。
主に食用とされているのは、ムラサキウニ・バフンウニ・キタムラサキウニ・エゾバフンウニ・などです。これらのウニは扇平な丸い形をした甲羅に棘がたくさん付いています。
生きたウニを漢字で書くと「海胆」または「海栗」と書きますが「海胆」と書かれた由来は、ウニの中のオレンジ色をした部分が肝に見えたからだと言われています。因みに塩漬けにした物は、「雲丹」と書きます。
その肝に見えた食用部分は、ウニの生殖巣で、雄の精巣と雌の卵巣部分にあたり、取り出した食用部分を見ても精巣も卵巣も見分けることはできません。
日本の沿岸には、100種類以上ものウニが居ると言われてますが、食用になるのは、ある程度の大きさと体高があり中の生殖巣が十分に発達して、食べられる種類となります。市場に出回ってるウニの殆どが、北海道や東北が中心になっていて、海外のものだとロシア産が多く出回っています。
ウニは北海道だけでも一年を通して、どこかで漁が行われ水揚げがあり、通年市場に出回っています。
産卵期を控えた頃が最も実入りがよく美味しくなるのですが、産卵期は海域や種類によっても多少違いがあるので、おおむね6月~10月かけてとされてます。ただし釧路など地域によっては漁期が冬だったりするので、夏が旬とは言い切れないところもあります。
ブランド化とまではいきませんが、利尻・礼文のエゾバフンウニは最高だと言う人が多いそうです。
確かに、あの利尻昆布をふんだんに食べて育つ訳ですから、美味しいのも納得がいきます。
もし何処かのお店で利尻産のエゾバフンウニを見つけたら、食べてみてはいかがですか。