フラワーディレクターからの花だより
真冬に花を咲かせる蝋梅(ロウバイ)
2021年1月16日
新年あけましておめでとうございます。
今回ご紹介する花は、真冬に甘い香りを放って咲く蝋梅(ロウバイ)です。
ロウバイは、別名唐梅(カラウメ)とも呼ばれ、その名のとおり中国が原産の落葉樹です。12月~2月に蝋細工のような愛らしい花を咲かせます。 開花期は厳寒期ですが、冬の終わりを表す季語としても用いられています。
あの有名な文豪 芥川龍之介は、「冷ややかにしみ透る匂」と蝋梅の、甘いだけではなく、どこか冷たさを感じる香りを自身の詩の中でうまく表現しています。
蝋梅はうめの花に似ていて、名前にも“梅”の字が入っていますが、実は梅とは違う種類の植物なのです。クスノキ目ロウバイ科の落葉樹で、バラ科の梅とは別種の樹木です。
見た目は似ているのに、全くの別種なことには驚きですね。
蝋梅の花言葉は、「ゆかしさ」「慈しみ」「慈愛」「愛情」などがあります。凍えるような寒さの中で、そっと黄色い花を咲かせる姿から「ゆかしさ」、花が少なくなる冬に開花し、人々の心を照らしてくれることから「慈しみ」「慈愛」などといった花言葉が生まれたようです。
寒さの中で見つける癒しで心を温め、今年も1年頑張りましょう!