フラワーディレクターからの花だより
竜の胆は苦い?! 秋を感じるリンドウ
2023年10月18日
夏が終わり、お彼岸も過ぎるとぐっと涼しさが増して季節は本格的に秋。
今回は、そんな秋を感じさせてくれるリンドウのご紹介です。
漢字での表記は「竜胆」。この名前は中国から伝わったとされています。
苦いことで知られる薬「熊胆」よりもリンドウの生薬のほうがさらに苦い、ということで「竜胆」という名前になったのだとか。
とても苦いけれど、『良薬は口に苦し』なのか主に根の部分が薬として利用され、効果は解熱や消炎、健胃作用などがあると言われています。
さて、リンドウといえばまず想像するのは青い花ではないでしょうか?
もともと青~青紫の花が主流でしたが、白やピンクなど色の幅が増えてきました。
さらに2021年には鮮やかな赤色リンドウができるメカニズムが解明されたとのことです。
今後、色のバリエーションがもっと増えていくことが期待できそうなニュースですね!
また、リンドウは花の咲き方も様々。花が開くタイプと、開かないタイプがあります。
切花で見かける機会の多い先がすぼまった形のお花は、花弁がほとんど開かない「エゾリンドウ系」と呼ばれるタイプ。
反対に花弁が大きく開き、花弁の先がくるりと反り返るタイプは「ササリンドウ系」と呼ばれています。
花が開く「ササリンドウ系」では、近年八重咲の品種も開発されました。
八重咲は鉢植えがメインですが、ガーデニングやプレゼント用にも使えそうな豪華なお花がとても魅力的です。
お墓参りなどの仏花のイメージもあるけれど、色も形もどんどん研究が進んでいるリンドウ。
今回の写真では、ススキや千日紅と合わせて秋感たっぷりにしてみましたが、
これからもっと色々な楽しみ方が出来そうな、ワクワク感があるお花です♪