フラワーディレクターからの花だより

派手さはないけど…。秋の演出家のお花たち

2024年10月16日

お彼岸も過ぎ涼しくなって、遅いながらもやっと秋を感じられるようになってきましたね。
今回は、そんな「秋」を演出してくれそうなお花たちを紹介します。

今回取り上げるのは、「ガマ(蒲)」・「ムラサキシキブ」・「ハギ(萩)」の三種類です。
どれも派手さはありませんが、しっとりと落ち着いた雰囲気が魅力です。

まずは、フランクフルトか、きりたんぽか…といった姿が特徴的なガマ。
「ガマの穂」と呼ばれるこのフランクフルト状の部分が、ガマの花なんです。
花弁がなくしおれづらいので、花瓶などに飾っても長く楽しめます。

花言葉は「素直」、「救護」、「慈愛」など。
どれも『古事記』の中の「因幡の白兎」に登場するウサギが、大国主命(おおくにぬしのみこと)の助言に素直に従いガマの穂で傷を治したお話に由来すると言われています。

次は、つぶつぶの紫の実が魅力のムラサキシキブ。
ピンク~薄紫の小さなお花が咲きますが、花よりも鮮やかな紫の実の方が観賞用に用いられます。
英名も「ジャパニーズ・ビューティー・ベリー(Japanese beautyberry)」と、実の美しさに注目しているようです。

花言葉は「聡明」、「上品」、「愛され上手」など。
「聡明、上品」は、『源氏物語』を書いた紫式部に由来するそうです。
また、「愛され上手」の由来は『源氏物語』の主人公、光源氏が多くの女性に愛されたことから、と言われています。

最後に紹介するのは、ハギ。秋の七草にも入っている秋の代表選手です。
やせた土地でも育ち、山火事後に一面に広がることもあるというガッツのあるお花です!
花色は赤紫~ピンクが多いですが、白い花の種類もあります。

花言葉は「内気」、「思案」、「柔軟な精神」など。
花が枝の先に下がるように咲き、うつむきがちに見えるので、「内気、思案」という花言葉がついたそうです。
そして、風に揺れるしなやかな枝の姿から、「柔軟な精神」という花言葉も持っています。

気温が下がると切花を活けた水も汚れづらくなり、お花を楽しむのにうってつけの季節になってきます。
色鮮やかで大きなお花も良いですが、小さいながらも季節を感じられるお花を身近に置いて楽しんでみるのもおすすめですよ♪

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