料理長からの食材だより

牡蠣が海のミルクと呼ばれる理由は?

2018年11月16日

11月になると出始めてくるのが、貝類です。美味しくなるのは12月~3月と言われていますが、その中でも海のミルクと言われている牡蠣が12月~3月にかけて、最も美味しくなると言われています。
好き嫌いもありますが、暖かい部屋で氷の上に乗った冷たい生ガキにレモンを絞ってツルッと吸い込む・・・とても贅沢な光景ですね。
今は、オイスターバーなんかも増えてきて、注目されている牡蠣!
ヨーロッパでは「Rの付かない5月・6月・7月・8月の4ヶ月間は牡蠣を食べるな」という親切な言葉もあるらしいです。
日本では、あまり聞いたことがないと思いますが、牡蠣は、ワインやコーヒーに似てこだわりが持てる食材なのです。
産地や育て方、食べる時期などいくつもの要素が組み合わせて出来上がる「牡蠣の味」。
厳密にいうと、食べる順番やお酒との組み合わせでも味わいが変わっていくため、こだわりだしたらきりがありません。
冬に広く出回っている真ガキという種類は、12月~3月頃までがもっとも栄養成分に優れており旨味の濃い美味しい牡蠣です。

牡蠣フライ・炊き込みご飯・グラタンなど定番メニューがたくさんありますが、牡蠣が好きな人に言わせると、独特の甘みとなめらかな食感が楽しめる生食が1番という人が多いでしょう。
レモンを絞って食べることでビタミンCが亜鉛の利用効果が高まり美味しく感じられるそうです。
牡蠣は炭水化物であるグリコーゲンやミネラルである亜鉛や銅、またビタミンB2やビタミンB12、葉酸を多く含みます。
これらのビタミン・ミネラルは貧血予防に効果的です。さらにタウリンも多く含まれており血圧や血中コレステロールが上がるのを抑えたり、肝臓の機能を正常に保ったりする働きも期待出来ます。そして殻は漢方薬として不眠症治療にも利用されたりしています。
牡蠣が「海のミルク」と呼ばれるのは、こんなに多くの栄養素が含まれているからなのです。

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