料理長からの食材だより
意外と知らない?アジの選び方
2021年5月19日
今月は、日本人にはお馴染みの魚、アジについてお話したいと思います。
日本で朝食をイメージすると、アジの開きを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
アジという名前はシンプルに味の良い魚だからアジになったと言われたり、漢字で魚へんに参と書きますが美味しい時期が3月だからという説もあります。
1年中、流通し美味しい魚だが春から夏にかけて最も美味しいと言われています。
アジには大きく分けて2種類あります。同じアジですが味には大きな差があり、多くのアジは水温16~17度の海域を追いかけながら大群で回遊してます。このアジは全体に黒っぽくクロアジと呼ばれていて、一般的に流通してるのが、このクロアジです。もう一つは、回遊しないで浅瀬に生息しているため体は丸みがかり体色は黄色を帯びて黒みが薄い種がいます。
この種は、「黄アジ」「瀬付アジ」「根付きアジ」と呼ばれていますが、最近では「黄金アジ」と呼ばれ、希少価値があり味も脂の乗りも段違いに良いとされています。
アジは千葉県でも有名ですが、クロアジの中でも有名でブランド化されているのが大分県、豊後水道の「関アジ」と愛媛県三崎町、佐田岬の先端で漁獲される「岬(はな)アジ」です。瀬戸内海と太平洋から流れ込んできた潮がぶつかり、かくはんされ栄養分の多い深層水が湧き上がる、そして潮の流れの非常に早いこの海域で育ったアジは、脂は薄めですが身のしまりが良く美味しいとされています。
少し値段がはるので、「関アジ」も「黄アジ」も刺身で食べるのが良いと思いますが、購入するのであれば、好みもありますが「関アジ」は刺身で「黄アジ」は焼きで召し上がることを、お勧めします。